『パラサイト半地下の家族』の勢いと評判がすごいですね!
あらすじと素晴らしいビジュアルアートのポスターで興味を惹かれ、予想を裏切るストーリー展開、役者陣のアンサンブルの妙、息もつかせぬラストへの畳み掛け、鮮やかすぎる結末。
何よりもタイトルの『パラサイト半地下の家族』が多層的な意味で映画の内容を表している大傑作です。
第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画として初めてパルムドールを受賞し、世界的な映画賞でも軒並み高く評価されている本作の、結末ラストまでのネタバレありのあらすじをご紹介します。
まだまだ公開中の映画ですので、もちろんネタバレアラートも出しますので、ご安心ください。
Contents
「パラサイト半地下の家族」のあらすじ
まずは『パラサイト半地下の家族』公式サイトよりネタバレなしあらすじを紹介します!
過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。
“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。
「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。
パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。
引用:パラサイト半地下の家族 公式サイト http://www.parasite-mv.jp/story.html
一家全員が無職のキム一家が、トイレが一番高い位置にある半地下の家に暮らしているという設定に度肝を抜かれます。
実は朝鮮戦争の際に作られた防空壕が半地下住宅となっており、低所得者層の10%がそのような家に住んでいるとのこと。
以下、ネタバレありでラスト結末まであらすじを紹介していきますので、ご注意ください!
「パラサイト半地下の家族」の内容をネタバレ
それでは、ここから「パラサイト半地下の家族」のラストシーン直前までをネタバレ紹介します!
息子にチャンス到来
何度も事業に失敗し無職の父キム・ギテク、きつい母のチュンスク、何浪もしている息子ギウ、美術の才能あれどくすぶっている娘ギジョンのキム一家。
一家は内職してなんとか生計をたてているが半地下の家に暮らし、生活は非常に苦しい。
そんなある日、息子ギウの友人でエリート大学生となっているミニョクが、「受験成功」の意味を持つ水石を持ってギウを訪れ、自分が留学する間に家庭教師をしている裕福な家の女子高生パク・ダヘの家庭教師を変わってほしいと頼む。
なぜ大学の同級生ではなく自分に頼むのかとギウが問うと、ダヘのことが好きだが大学の友人だと信頼できないからというミニョク。
妹のギジョンの技術により無事に名門大学の在籍証明も偽造し、IT社長として大成功を収めたパク・ドンイクの高台の豪邸に訪れたギウは、ドンイクの美しくて若い妻ヨンギョもあっさり丸め込み、ダヘもギウに対して満更でもない様子。
ギウは無事に家庭教師に採用され早々に一家の信頼を勝ち取ると、ダヘの弟ダソンに美術の教師を探している情報を得る。
次々と入り込むキム一家
ギジョンはアメリカの名門大学出身と偽り、パク家へやってくる。
あっという間にダソンを手懐けたこともあり、こちらもお気に入りの家庭教師となったギジョンは遅くなったからとパク家の自家用車で送られる。
パク家のドライバーと話している時にピンと閃き、下着を脱いで車の中に残してくる。
社長であるドンイクが自家用車を使った時に下着を発見、妻と相談の上で新しいドライバーを雇おうと新たに候補として現れたのがキム一家の父ギテク。
一家を仕切っている家政婦ムングァンの存在を目障りに感じたギウたちは、彼女のアレルギーの情報を入手し、奸計をめぐらし悪性の伝染病を持っているとドンイクの美しい妻ヨンギョに信じ込ませることに成功し彼女はクビに。
しかしながらヨンギョは恐ろしく家事能力が低く、ドンイクは早急に信頼できる家政婦が必要とギテクにこぼすと、ギテクは特別な人向けの高級会員制サービスの名刺を差し出す。
そうして母のチュンスクも家政婦に取って代わると、全員他人としてキム一家がパク家に入り込むことに成功したのだった。
大雨の夜
大雨の予報にも関わらず、パク一家は息子ダソンの誕生日イベントのキャンプに出かける。
確実にパク一家がいないということで、キム一家は高台の豪邸で堂々と大宴会を繰り広げる。
女子高生のダヘはすっかりギウに夢中となっていることから、いずれこの豪邸に住めるのではないか、などと軽口をたたき合って寛いでいた。
そんな中、インターフォンの音が聞こえ、こんな大雨の中でいったい誰が?と訝しがりつつもチュンスクが応対すると、元家政婦のムングァンが忘れ物なので中に入れてくれとずぶ濡れで訴えてきた。
しょうがないとムングァンを招き入れると、地下のパントリーの棚を動かし始めたかと思うと、さらに深く地下室へと続く隠し扉が出てきたのだった。
地下室の男
地下室にいたのはなんとムングァンの夫であり、長年に渡り裕福なパク家に寄生していたのだった。
このまま地下室に住まわせてくれるよう頼むムングァンに対し、それはできないと突っぱねるチュンスクだったが、他人のフリをしている4人が家族であると認識したムングァンが証拠写真を撮り、家族であることをパク家にバラすと脅しだして形勢は逆転。
今の生活が壊れてしまうことを恐れた4人は格闘の末、二人をなんとか拘束して発見した地下室に閉じ込めたところ、チュンスクに対してヨンギョから突然の電話。
なんと大雨でキャンプ場に行けなかったので数分後には帰宅するので「ジャージャー・ラーメン」を作っておいて、という衝撃的な電話だった。
予想外の帰宅
チュンスクは大急ぎで調理を始め、また一家全員で大宴会で散らかり放題のリビングを大急ぎで片付け、ギテクとギジョンはリビングにある大きな机の下に潜り込み、ギウはダヘのベッドの下へと隠れる。
隠れた三人は逃げるチャンスを伺うが、ダソンは大雨の中にも関わらず庭のテントで寝ると言い張り、息子を見守るためしょうがなく両親であるドンイクとヨンギョは机に隣接した大型ソファで寝たため、出られなくなるギテクとギジョン。
そこへドンイクはヨンギョに「匂いがする、ギテクの匂いだ」と言う。
ギテクはとてもいい運転手で決してプライベートに踏み込まないが、彼の匂いは自分の領域に踏み込んでくる時がある、地下鉄の匂い、切り干し大根の匂いなどと言うが、「貧乏人の匂い」と言われたと感じたギテクは深く傷つく。
豪邸からの脱出と大洪水
ようやく一家が寝静まったところで、思い切ってギテク、ギウ、ギジョンの3人は豪邸を脱出。
大雨の中、高台の家から自宅へとひたすら階段で降りていくと、集中豪雨により自分たちを含め半地下の家は水没しており、トイレからは下水が逆流して雨水とともに家の中全てが水浸しという地獄のような光景が展開されていた。
ギウは友人からもらった水石を持ち出し、避難場所である体育館でも肌身離さなかった。
誕生日パーティーの悲劇
台風一過の翌日は清々しい晴天。
下界での悲劇などは知らないヨンギョは息子ダソンのために庭での誕生パーティー開催を思いたち、ドライバーであるギテクを呼び出し高級スーパーで大量の買い物をする。
ダソンお気に入りの家庭教師であるギジョンに参加を頼むと、ダヘからギウを誘いたいという言葉も快諾し、ご機嫌に。
ダヘの部屋で鬱屈した気持ちを隠しながらいちゃついていたギウは、家から持ち出した水石を持って地下に行き、自分たちの秘密を知るムングァン夫妻を殺そうとするが、逆襲され重傷を負ってしまう。
そのまま庭に出て行ったムングァンの夫は包丁を持ち、ケーキを持って歩いていたギジョンを刺し致命傷を与えると、昔夜中にこの男を見かけて幽霊だと思ってトラウマを抱えていたダソンがひきつけを起こし失神してしまう。
ギテクは目の前で死にかけている娘を一顧だにせず、他人なんかどうでもいいから、息子ダソンのために車を出せと迫るドンイクに、複雑な感情を抱き動けなくなる。
そして家政婦であるチュンスクは自分の娘ギジョンを刺した男にバーベキューの串で立ち向かい、こちらも致命傷を与えて倒したところで、ドンイクが地下から出てきた男の悪臭に耐えかねて鼻をつまむ。
貧乏人の匂いと言われ深く傷ついていたギテクはその様子を見て激昂し、ドンイクを刺し殺して逃走したのであった。
「パラサイト半地下の家族」の結末最後(ラストシーン)はどうなる?
それでは、「パラサイト半地下の家族」の結末最後を見ていきましょう!
「パラサイト半地下の家族」の結末
キム一家の娘ギジョンは死亡、息子ギウは重体から回復したものの、無傷であった母チュンスクと裁判はありながら正当防衛が認められて二人で暮らしていた。
父ギテクはドンイクを殺した後に近隣の監視カメラを総動員しても行方が分からず蒸発していた。
そんなある日、ギウは高台の豪邸を見ることができる山に登って豪邸を見てみると、灯りが不自然にチカチカしている。
それは父ギテクからの息子ギウに宛てたモールス信号でのメッセージだったのだ。
豪邸は売りに出されて別の家族の手に渡ったが、ギテクは生き延びて、かつて地下にいた男のように豪邸の地下で暮らしていることを伝えたものだった。
メッセージを解読したギウは、自分は絶対に成功して裕福になり、あの家を買い取り父を救うことを心に深く誓うのであった。
何と言っても計画がうまく行き富裕層一家を出し抜き家族全員が入り込んだと思ったら、豪邸の地下には真の意味で寄生(パラサイト)している先客がいた!という驚きがすごいです。
また全員無職でくすぶっていたキム一家が働き出すと意外なまでに優秀な能力を発揮するのも皮肉が効き、貧しいもの同士が利権をめぐって殺しあう展開となるのも現実を象徴していますね。
パラサイト半地下の家族あらすじと結末ラストをネタバレ!貧富の格差で悲劇が?まとめ
ここまで『パラサイト半地下の家族』のネタバレあらすじを結末のラストシーンも含めてご紹介して参りました。
お話しの面白さはもちろん、建築、美術、衣装、役者陣の演技、演出の全てが見どころと言える作品ですので、結末ラストまでのネタバレあらすじを知っていても未見の方には見る価値が十分にある作品だと言えましょう。
芸術性、社会性、そしてエンターテインメント性が見事に融合した傑作である『パラサイト半地下の家族』、本当にオススメです!
> 貧乏人の匂いと言われ深く傷ついていたギテクはその様子を見て激昂し、ドンイクを刺し殺して逃走したのであった。
刺したのは匂いのことだったんですね。
地下から出てきた男があたかもドンイクの事を知ってた様なそぶりを見せて、「リスペクト!」って大声で言ってたのでそれが関係してるのかなーっと思ってました。