10月4日、ついに公開した『ジョーカー』。
第76回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を得るなど、世界中が注目しているこの作品。
今回は、映画『ジョーカー』のあらすじとネタバレありでラスト・結末シーンの謎を解説・考察していきたいと思います!
なぜ普通の男が人々に恐怖を与えるジョーカーになってしまったのでしょうか?
ジョーカー映画のあらすじやネタバレ、精神病院での最後のシーンの謎考察をまとめたので、これから観る予定の方も、もう観たよという方もぜひ参考にしてください。
Contents
映画「ジョーカー」のあらすじ・予告動画
あらすじ
うだつの上がらないコメディアン、アーサー・フレック。
彼は母親から「どんなときも笑顔で、人々を楽しませない」と教わってきた。
それを体現すべく路上で大道芸を披露し、ゆくゆくは世界に笑いを届けたい、と純粋に願う青年だった。
「俺の人生は悲劇だ。いや違う、喜劇だ」というモノローグが名曲スマイルをバックに語られる。
純粋な心を持った孤独な男が、世界から虐げられ、心を病み、”狂気の犯罪王子”ジョーカーになるまでの物語。
予告動画
予告動画を見ただけでジョーカーが異常なまでに笑いだしたりと奇怪な行動が徐々に増えて壊れていく姿に恐怖を感じますね。
個性派俳優として有名なホアキンフェニックスが怪物ジョーカーをどう演じるのか本編が待ち遠しいです。
映画「ジョーカー」のストーリーをネタバレ
「ジョーカー」を。「一生見てたい。終わらないでくれ」と心から願った。壮絶に美しい映画。デニーロの「タクシードライバー」、Mダグラスの「フォーリングダウン」のような、孤独と絶望の末に狂気の花を咲かせる男一代暗黒物語。70年代米国の暴力と荒廃の香り。狂い咲きホアキンに魂持ってかれた。 pic.twitter.com/tbGVkPB4VG
— 深町秋生・新刊「PO守護神の槍」 (@ash0966) October 4, 2019
ここからは具体的に映画のストーリーを紹介していきます。
普通の男アーサーが凶悪犯のジョーカーになるまでを事細かに観ていきましょう!
起:アーサーという男
化粧台の前に座ってピエロの化粧をする男。
彼がこの映画の主人公であり、のちにジョーカーとなるアーサー・フレックである。
ゴッサムシティで大道芸の派遣会社に努める彼は、今日はある電気屋の閉店セールを盛り上げるピエロとして働いていた。
しかし、持っていた看板を不良少年に取られ、アーサーは必死になって追いかけるが終いには暴行されてしまうのだった。
「狂っているのは僕か、世界か」
病院で面談を受けるアーサーは、僕はコメディアンになりたいんだと女性相談員に打ち明ける。
アーサーは昔病院で監禁されるほどの重症患者(おそらく精神疾患)で、今は大量の薬とこの面談で何とか持ちこたえているのだった。
また、彼には「笑いが止まらない」という(自称)病気を持っていて、何かにつけて笑い出し止められなくなってしまうのだ。
家に戻ったアーサーは、郵便ポストを確認し母のいるアパートの部屋に戻る。
年老いた母はずっとトーマス・ウェインという人からの手紙の返信を待っていた。
「彼が私たちを救ってくれるわ」と母は言い続けていたが、待てど暮らせどウェインからの手紙は来ないままなのであった。
母と会話しながらテレビをつけると「マレー・フランクリンショー」がやっていた。
司会のマレーはアーサーの憧れのコメディアンで、いつかこの番組に出ることを夢見るアーサーだった。
次の日仕事場に行くと、ランドルという同僚が不良から暴行を受けたことを知って銃を渡してくれた。
しかし、アーサーはボスに呼ばれ昨日の看板を返せと言われてしまうのだった。
彼のストレスは次第に膨れ上がり、道端のゴミを蹴って発散する。
そんなアーサーの目の前にある女性が現れる。
同じアパートのソフィーという女性でエレベーターで少し話したのだが、彼は翌日彼女を仕事場までストーキングしてしまうのだった。
次の日アーサーの部屋を訪れたソフィーは「あなた私をつけていたでしょ」と言うが、ソフィーは笑って受け入れてくれたのだった。
アーサーはコメディアンになるという夢のため、ノートを持ってコメディショーに行ってはそのジョークの勉強をしているのだった。
ある日の仕事は、小児科の慰問で、ピエロ姿で子供達を笑わせていたが、先日ランドルからもらった銃を誤って落としてしまう。
それが原因で会社をクビになるのだが、ランドルは「アーサーに頼まれて売った」と嘘をつきアーサーを裏切るのだった。
承:地下鉄殺人犯
仕事を失いピエロの化粧のまま電車に乗っていたアーサー。
その隣で女性が男性3人に絡まれているのを見て、アーサーは爆笑してしまう。
男性3人はアーサーの方を向き、ちょっかいを出し始め終いには蹴る殴るの暴力をしてきたのだった。
暴力を受けたアーサーは持っていた拳銃で3人を殺し、ダッシュで地下鉄から逃げるのだった。
逃げた先のトイレで彼は優雅に踊り始め、それは彼の中で何かが解放された証だった。
アパートに戻ったアーサーはそのまま、ソフィーのところへ行きキスをするのだった。
次の日、地下鉄殺人事件はニュースになっており、トーマス・ウェインがテレビに出ていた。
彼は次の市長選挙に出馬予定の資産家で、アーサーの母は昔ウェインの家で働いていたのだった。
アーサーが昨日殺した3人はウェインの会社の社員でエリートだったため、ウェインは「仮面なしでは殺人もできないやつ」と皮肉を言うのだが、
エリート(富裕層)をよく思っていない貧困層には地下鉄殺人のピエロはヒーローとなっていた。
そんな中アーサーはまた面談に向かうが、もうここは閉鎖されてしまうと聞く。
自分の話をする場所も薬もなくなってしまったアーサーだが、
いつも行っているコメディアンショーで舞台に上がることができたのだ。
彼は笑いながらジョークを放ち、そこそこに笑いを取ることができたのだった。
もちろんそのショーにはソフィーも見にきていた。
二人は街中を歩き、アーサーは恋も夢も順調に流れ始めたのだった。
転:真実との対面
家に到着したアーサーは母からトーマス・ウェインへの手紙を預かる。
いつもはただ投函するだけなのだが、今回はその手紙を読んでしまった。
そこに書かれていたのは、トーマス・ウェインが自分の父であると言うことだった。
アーサーは母に問いただし、過去に母とウェインは恋に落ち子供ができたが家柄的によろしくないと捨てられたと言う話を聞いた。
父に見放されたと言うショックのためか、次の日アーサーはウェイン宅に向かいウェインの子供に話しかける。
それを見ていた執事に母のことを話すと急に顔色を変え、「何もなかった」の一点張りなのであった。
家に帰ると救急車が止まっていて、母が脳卒中で倒れたことを知るアーサー。
病院で母の治療を待っていると、二人の警官が現れ「拳銃所持と地下鉄殺人の件」で話を聞かれる。
警察はアーサーが犯人なのではないかと疑っている様子だったが、その場ではアーサーはうまく言い逃れたのだった。
病院のベットで寝ている母の隣で、ソフィーとアーサーはテレビを見ていた。
すると「マレー・フランクリンショー」で自分の姿が映されているではないか。
先日やっていたコメディアンショーのテープが流され、”ジョーカー”と紹介されていた。
アーサーは感激するが、司会のマレーはアーサーのジョークをネタにし笑いにしてしまったのだった。
アーサーは尊敬するコメディアンに屈辱されたのだった。
殺人ピエロは貧困層の間でかなりムーブメントを起こしており、富裕層の集まるシアターではピエロのお面をかぶった多くの人たちが「金持ちを殺せ」「ウェインを殺せ」と暴動を起こしていた。
アーサーはその群衆に入り満足そうにしながら、そのシアター内に入っていく。
ボーイに変装したアーサーは、シアターで上映されているチャップリンを見ながら笑い、ウェインの行動を監視していた。
トイレに立ったウェインを尾行し、話しかけるアーサー。
「別にあなたにあって困らそうという気は無い。パパのハグが欲しいだけなんだよ。」と言うが
ウェインは全く相手にしない。
それどころか、それは全て母ペニーの妄想であると告げる。
アーサーは、母を屈辱され納得しなかったが、終いにはウェインに殴られ家に帰宅するのだった。
家に帰ったアーサーは、「マレー・フランクリンショー」からの出演オファーを受け取る。
前回放送されたアーサーの動画に反響があったらしいのだ。
アーサーは出演依頼を受け入れ、来週に出演することが決まった。
その間にアーサーは、アーカム市立病院へ赴き、ウェインの言っていることが正しいのか検証するため母の昔のカルテを見せてもらいにきていた。
カルテを見せるのを拒否する事務員から強引に奪い取り中を確認する。
するとそこには、自分は養子であること、母は妄想性障害があること、幼い自分は母の恋人から虐待を受け母もそれを黙認していたことなどを知ってしまう。
彼の中で最後の糸がプツンと切れたようだった。
結:ジョーカー誕生
アーサーはソフィーの部屋に勝手に上がりこむ。
するとソフィーは血相を変えて「早く出てって、あなた確かアーサーっていう人よね」と叫ぶ。
そう、ソフィーとの思い出は全てアーサーの妄想だったのだ。
ソフィーからしたら、ただ一度エレベーターで話した男にすぎなかったのだった。
その後、彼は母親の病室へ向かい、枕で母を窒息死させてしまうのだった。
「マレー・フランクリンショー」に出演するため、挨拶の練習をしたりピエロの化粧をしていると元同僚の二人がやってくる。
彼らも警察から事情を聴取されており、何を聞かれたのかアーサーに聞きにきたのだった。
その二人のうち一人は、クビになった時に裏切ったランドルだった。
アーサーは目にも見えないスピードで、隠し持っていたハサミでランドルを刺殺。
もう一人は「君だけは親切だった」と逃すのだった。
「マレー・フランクリンショー」に向かうさなか、刑事がアーサーを止めようとし必死に逃げるアーサーは、ある電車に乗り込む。
そこには殺人ピエロ信者のデモ隊が乗っており、乗客スペてピエロのお面か化粧をしていた。
同じくピエロの化粧をしていたアーサーはその中に紛れ込み、無事にショー会場に着くのだった。
初めてマレー・フランクリンと対面したアーサーは感激の言葉を述べ、最後に「私をジョーカーと紹介してください」と頼む。
ジョーカーとして紹介されテレビの舞台に上がったアーサーは、マレーから新しいネタをやれと言われ
「自分が3人を殺した犯人だ」と打ち明ける。
最初はジョークだと思っていたマレーやスタッフ、観客だがそうでは無いことに気づき始め、
アーサーはマレーに「自分を正当化してもいいのか」と非難される。
「誰も他人のことを考えない。3人死んでニュースになっても、僕が道端で死んでたら皆踏みつけるだろう。自分を偽るのはもうやめたんだ。僕には守るものも失うものももう無い。」
とアーサーは言いこう続ける。
「君も、最低な人間だ。僕を笑い者にするためにここに呼んだんだろ」
そういうとアーサーは、拳銃を取り出しマレーを射殺。
生放送の「マレー・フランクリンショー」は大惨事となり放送中止になった。
その後すぐに警察に逮捕されたアーサーは、パトカーの窓から暴動を起こしているピエロを見て笑っていた。
警官がそれに気を取られていると、パトカーは車と事故にあい、警官は死亡。
アーサーはピエロの覆面たちに救出されるが意識を失ったままだ。
その頃、他の覆面ピエロがウェインと妻、そして子供を見つける。
ピエロはウェインと妻を子供の前で射殺したのだった。
アーサーはやっと意識が戻り辺りを見回すと、辺り一面にピエロの集団が。
彼はヒーローとして多くの人に祝福されるのだった。
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映画「ジョーカー」の結末・ラストシーン
消費税増税が始まった週末に『ジョーカー』が公開されるの本当にすごいタイミングだと思う。主人公の心が壊れるきっかけの一つが社会保障の切り捨てなんですよ。 pic.twitter.com/pMSZvYNRvN
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) October 1, 2019
彼がヒーローとして崇められたシーンが暗転すると、アーサーの笑い声が響く。
そこは、精神病院らしい。
白い服に身を包んだアーサーと、女性面談員が会話している。
「何がそんなに面白いの?」
アーサーはウェインとその妻が殺され、一人残された息子という映像を思い浮かべる。
「ちょっとね、ジョークを思いついて。君には理解できないさ」
アーサーは病院の無機質な真っ白の廊下を向こうに向かって歩いていくのだった。
ここで映画は終わります。
ジョーカー最後のシーンを考察!精神病院の結末の意味とは?
このラストシーンは、正直かなり混乱するものでした。
私が考えたこのシーンの考察は3つです。
①ただ単にその後精神病院に入れられた
時系列をそのまま見るとこの考察があっているのではないかと思いますが、まずアーサーは逮捕はされたが(事故によって)そこから逃げ出しているので捕まっていないのです。
また、女性面談員は映画冒頭と同じ面談員で、映画中盤で面談は中断されてしまうので彼女が出てくるということもないのかなと思います。
ですのでこの考察はちょっと違うかなと思います。
②全てアーサーの妄想
今まで起きていたアーサーをめぐる事件は全てアーサーの妄想だったという考察です。
彼は精神病棟にいて、長い妄想をしていた。
しかし、実際にジョーカーは誕生しバットマンと対決しているので全てアーサーの妄想というオチはないと思います。
③昔の回想(予言)
映画冒頭で、同じ女性面談員が現れて
「あなた昔、病院に監禁されてたでしょ?なんでか考えたことある?」と聞いています。
ですので、このシーンは時系列でいうとかなり前でアーサーが精神病院で監禁されていた頃の記憶という考察ができます。
この面談は映画中盤で閉鎖されてしまうので、過去の記憶をここにラストシーンに入れたというのも納得できます。
ウェインとその妻と息子の映像はアーサーの妄想であり、これから起こることの予言なのではないかとも捉えることができると思います。
というような考察を考えました。
実際にはこのラストシーンがどういった意味を示しているのかはわかりませんが印象的なシーンであることは間違いないです。
映画「ジョーカー」を視聴した所感
話題中の映画『ジョーカー』
映画の中では悪人だが、主役のホアキン・フェニックスは実は超優しい人。動物を守るために3歳の時にヴィーガンになって、ずっと動物愛護の活動を頑張ってきたんだ。
「人間は動物に優しくして、失うもの何もない」と pic.twitter.com/xFylHcRE6v
— ダンテ (@vegandanshi) October 4, 2019
映画館の大きなスクリーンで見ると、ジョーカーは狂った凶悪犯ながらもとてもかっこよく見えてしまいます。
映画冒頭から、アーサーがどんな立場で、社会に抑圧されて、頼れる人に裏切られて、ということを見ているのでアーサーに感情移入してしまうという面もあるのですが、
ジョーカーとして生きることを決めた瞬間からの、映画の演出や音楽がかなり凝っていて、
いかにジョーカーがかっこいい存在なのかということを私たちに訴えかけているようにも感じました。
音楽は、皆一度なら聞いたことのある愉快な音楽(チャップリンのスマイルなど)から、ジョーカーの邪悪さを表す低い低音が響く音楽など種類も豊富で、すでにサントラが欲しいです(笑)
アーサーが妄想性疾患を持っているため、どこまでが妄想でどこまでが現実なのかわかりづらい部分もありましたが、とても楽しめる映画でした。
主役を演じたホアキン・フェニックスは、とても魅力的な俳優で
どんどん狂っていくジョーカーに観客は次第に魅了されていくといった感じでした。
『シャイニング』で狂った父親役を演じたジャック・ニコルソンが、当時の観客(特に女性)から圧倒的な人気を得たのと同じように、このホアキン・フェニックスも男性はもちろん、女性からも人気が出そうです!
(ちなみに、ジャック・ニコルソンは『バットマン』(1989)でジョーカー役を演じています)
私もファンになってしまいました!
映画「ジョーカー」の注目ポイント3つ
映画を視聴した方もまだ見ていない方も見てほしい映画「ジョーカー」の注目ポイント3つをまとめました。
そもそもジョーカーって一体何?
ジョーカーは、DCコミックスのスーパーヒーロー『バットマン』のスーパーヴィラン(悪役)です。
なんと、1940年には登場している、非常に歴史とともに人気のあるヴィランで、ヴィジュアルイメージは、白塗りの顔、緑色の髪の毛、裂けた真っ赤な唇で、紫のスーツ、ネクタイ、カラフルなシャツ、手袋を着用していることが多いです。
ヴィランの中では特殊能力を持たず、同じく特殊能力を持たないヒーローのバットマンとライバルとして対をなす存在で、カミソリつきトランプ、有毒物質の調合、兵器の開発と、化学の専門知識を駆使してゴッサムシティの人々を恐怖に陥れ、バットマンと戦います。
近年でもティム・バートン監督の『バットマン(1989)』ではジャック・ニコルソンが、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト(2008)』ではヒース・レジャーがジョーカーを演じ、特にヒース・レジャーは入り込みすぎたことが死因になったとも噂された凄みのある演技で、死後にアカデミー賞の助演男優賞を受賞しています。
ちなみに全編レゴで作られ、キャラクター、背景、美術など全てレゴで作られた異色作『レゴ・バットマン』でのジョーカーは、バットマンが自分のことを宿命のライバルだと認めるまで、絡み続けるウザ可愛キャラとして登場していました。
過去のジョーカーに共通しているのは、サイコパスで、バットマンを殺すことが目的なのではなく、舞台となるゴッサムシティの人々を恐怖に陥れることこそを目的としていることです。
また、自分がなぜジョーカーになったかについてあれこれ語るけれど、どれが真実かは煙に巻いて実態をつかませない、ということです。
本作はこれまで謎とされていた「ジョーカーがジョーカーになるまで」のリアルなストーリー。これまでにない試みです。
なぜジョーカーが生まれた?
そもそもは「人を笑わせたい」と願う大道芸人だったアーサーが、なぜ、“狂気の犯罪王子”とも呼ばれる、バットマン最強のヴィランになったのでしょうか。
US版の予告動画ではアーサーが路上で大道芸を披露していると、若者たちの妨害に遭い、奪われた大道芸の道具を取り返そうと追いかけると、返り討ちにひどい暴力を受けるシーンや、地下鉄でジョーカーメイクをして座っていると、乗り合わせたビジネスマンに因縁をつけられ、やはり暴力をふるわれるシーンが出てきます。
また、バットマンファンにはおなじみ、ヴィラン達を収容するアサイラム精神病院と関連するとおぼしき「アーカム州立病院」でカウンセリングや治療を受ける様子も見受けられます。
純粋な魂ゆえに狂った世界に対抗するために、自分も進んで狂気に飛び込んでいき、ジョーカーと変貌していったのかもしれませんね。
映画の結末はどうなる?
今回のジョーカー誕生の物語を考えるヒントとして欠かせないのが、巨匠マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デニーロ主演の『タクシー・ドライバー(1976)』や『キング・オブ・コメディ(1982)』の2本です。
本作の脚本・監督を務めたトッド・フィリップスは、イギリスの雑誌Empire誌のインタビューで、『タクシー・ドライバー』や『キング・オブ・コメディ』の影響を受けている、とその2作の主演であり、本作でも主要出演者であるロバート・デニーロに対して話したことを明らかにしています。
どちらも孤独で疎外感を感じている青年が、「自分なりの善」を突き通した結果、世界と敵対して暴力を爆発させるストーリーです。また、本作は、あえてコミックを意識せずに独自のオリジンストーリーとして執筆されたとのこと。
そのことを踏まえると、「自分なりの善」を信じたアーサー・フレックが、人々から笑顔を奪おうとしている社会そのものと対立し、「笑いと恐怖は紙一重」として、大きすぎる恐怖は笑いに通じるとばかりに変貌を遂げ、彼なりのロジックで恐怖の救済を行なっていくのではないでしょうか。
映画「ジョーカー」のネタバレあらすじ!なぜ普通の男が恐怖のジョーカーに?まとめ
主役ジョーカーには、数々の映画賞を受賞しているホアキン・フェニックス。
彼は2008年に突如俳優を引退し、ラッパーになると宣言し、数々の奇行を繰り広げたのですが、引退後の彼に密着したドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』を2010年に突然発表。なんと、全てがフェイクで、壮大な悪戯だったことを明かして、ハリウッドから相当な批判を浴びたお騒がせセレブでもあります。
その後は持ち前の演技力で、映画界に見事に復帰していますが、複雑な内面を持った、孤独な魂を持った男を演じるのにうってつけです。
また、『キング・オブ・コメディ』で自身が誘拐する人気コメディアンのような役どころでキャスティングされているロバート・デニーロ。
当代きっての名優二人が、アメコミ映画の枠に収まらない、重厚なストーリーのもと繰り広げる演技合戦が楽しみです。
純粋な魂を持つがゆえに社会から疎外され、孤独を拗らせていき、狂気へとひた走る破滅のストーリー。名優デニーロも感心したという脚本と世界観。
この秋の注目作『ジョーカー』。
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を取るなど、世界レベルで注目されている作品です。
ぜひ、あなたの目でご覧ください!
考察1について
アーサーのソーシャルワーカーと最後のシーンで登場するアーカムの精神科医は似ていますが実は別の人によって演じられています。前者がSharon Washington,後者がApril Graceという女優です。
ただし、これが何を意味するのかは私には不明ですが。。
黒人女性という以外は、まったく似ていないと思います。寄せてもない。
ひと目見てら違う女性という事がわかります。
コミックで言うと、ジョーカーは何度も逮捕され「アーカムアサイラム」という精神病院兼刑務所に入れられます。
しかし、その度、彼の精神病という判定がなされて釈放されたり、彼の仲間や支持者によって助けられ脱獄を繰り返します。その後また血の気も失せるような犯罪を犯し、バットマン によってアーカムに戻され…を繰り返します。
バットマン は犯罪者を殺さない事が信念であり、ジョーカーもそこを知っていてそこの葛藤がまた2人の精神状態が描かれる、とてもダークな物語になっていきます。
つまり本作のラストはアーカムアサイラムに本作の事件後に収監されたジョーカーだと思われます。で、ここからジョーカーの物語が始まるのです。